自由民主党衆議院議員徳田毅陣営による2012年12月総選挙における大規模な買収などの選挙違反事件。東京地検は13年9月、徳洲会東京本部を家宅捜索するなど強制捜査に乗り出し、11月に姉の越沢徳美とスターン美千代ら6人を逮捕した。その後も母親の徳田秀子が逮捕されるなど逮捕者は計10人に上った。徳洲会病院の職員に対する買収総額は1億4750万円に上り、選挙買収事件としては過去に例のない規模である。捜査の途中で徳洲会側から猪瀬直樹東京都知事に対して5000万円の資金が12年12月の都知事選直前に提供されていたことが暴露され、選挙の裏金との疑惑が出た。猪瀬は個人的な資金提供だったと弁明したが、東京都議会は説明に納得せず百条委員会が設置されたため、14年1月辞任した。徳田毅は14年2月に議員を辞職し、公職選挙法上の「地域主宰者」の有罪が確定したのを受けて連座制が適用され、向こう5年間の立候補が禁止された。事件を主導した父親の徳田虎雄は難病で療養中のため在宅のまま取り調べを受けたが、東京地検は同年9月、起訴猶予処分にした。(→「政治とカネの問題」)