参議院の都道府県別選挙区間の「一票の格差」を是正するため、東京(改選数5)、愛知(改選数3)、北海道、兵庫、福岡(改選数2)の改選数をそれぞれ1増やし、宮城、新潟、長野(改選数2)の改選数をそれぞれ1減らし、さらに鳥取と島根、および徳島と高知の各1人区を「合区」(→「参議院選挙区「合区」」)して改選数1の選挙区とした公職選挙法改正。2015年7月28日に成立した。なお、参院選は選挙区定数の半数ずつが改選となることから、5選挙区の増減で10増10減となる。これにより選挙区間の一票の格差は最大2.97倍となった。最高裁大法廷は10年参院選、13年参院選と連続して「違憲状態」と判断し、都道府県単位の選挙区の見直しを求めていた(→「参議院定数「違憲状態」判決(2010年参議院選挙)」、「参議院定数「違憲状態」判決(2013年参議院選挙)」)。13年9月に発足した参院選挙制度協議会において定数是正案が議論され、座長の脇雅史自民党参院幹事長が22府県を合区する案を示し取りまとめを図ったが、これには参院自民党から反対論が噴出した。自民党は脇を参院幹事長、座長から降ろし、維新の党などの賛成を得て「10増10減」の公選法改正案を提出したが、民主党と公明党はこれに強く反発し、10の合区を導入し、最大格差を2倍以内に抑える改正案を共同で提案していた。1999年の連立参加以来、自公が法案への賛否で対応が分かれたのは初めてであった。