2016年6月22日公示、7月10日投票で第24回参議院議員通常選挙が実施された。改選数121(選挙区73、比例代表48)に対して、選挙区が225人、比例代表が12政党・政治団体の164人の計389人が立候補を届け出た。野党統一候補実現のために共産党が多数の選挙区候補を取り下げたことと他の野党の整理統合が進んだことにより、選挙区の候補者は前回から大幅に減少した。32の1人区のうち奈良を除く31選挙区で野党側の候補が一本化された。政府の経済運営や憲法改正の是非などがメディアで争点として提示されたが、野党間の意見の相違が大きいため与野党の明確な対立軸とはならず、全体としては安倍政権への信任を問う中間選挙的な選挙戦となった。投開票の結果、自民党は前回の13年選挙より10議席少ない55議席を獲得したものの、14議席を獲得した公明党と合わせ与党は過半数を上回った。注目された31の1人区の野党統一候補は健闘し、11の選挙区で与党系の候補に勝利し、31選挙区で2勝しかできなかった前回の13年選挙を大きく上回った。この恩恵を最も受けたのは3月に結成された民進党であり、13年に民主党が獲得した17議席を大きく上回る32議席を獲得した。おおさか維新の会は大阪府で2人を当選させ、全体で7議席を獲得した。共産党は比例区で得票数を前回から伸ばしたものの、選挙区での惜敗が相次ぎ前回から2減の6議席にとどまった。社民党と生活の党と山本太郎となかまたちはそれぞれ比例区で1議席を獲得した一方、日本のこころを大切にする党と新党改革は議席を得ることができなかった。改選議員が所属していた日本を元気にする会は候補者を擁立しなかった。投票率(選挙区)は与野党接戦となった1人区を中心に前回の52.61%から持ち直し54.70%であった。期日前投票者数(選挙区)の速報値は1598万6898人で全有権者に占める割合は15.0%。今回の選挙から鳥取と島根、徳島と高知が合区となった(→「参議院選挙区「合区」」)。また、選挙権年齢が18歳に引き下げられた最初の国政選挙であった(→「18歳選挙権」)。