一般に、国の仕事を行い、国によって任命され、国から給与を受けている公務従事者をいう。国務大臣・政務官や裁判所・国会・会計検査院・防衛省の職員などの特別職と、府省の非現業・現業の職員の一般職などがいる。憲法は「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定め、戦前のような天皇の官吏ではなく国民の公僕としている。しかし、この公務員という言葉は、憲法英語版でみると「public official」の翻訳であって、「civil servant」のそれではない。必ずしもシビル・サーバント、つまり「市民僕」としての公僕の観念に基づいていない。公務員の任用は、政治的、個人的その他あらゆる情実を排し、すべて競争試験その他能力の実証に基づいて行われることになっており、任命権は各府省大臣に属している。また、職員の給与の内容は法律によって定められている。また、雇用保険法の適用外となっている。非現業の一般公務員は、職務の特殊性から労働基本権を制限されているため、その代償措置として、人事院による給与勧告制度と勤務条件に関する行政措置要求の制度がある。2013年度末予算定員(総務省調べ)は、特別職約29万9000人(大臣・副大臣・大臣政務官、大使・公使等約400人、裁判官・裁判所職員約2万6000人、国会職員約4000人、防衛省職員約26万9000人、特定独立行政法人役員約40人〈12年10月1日現在の常勤役員数〉)、一般職約34万1000人(非現業国家公務員約27万5000人、検察官約3000人、特定独立行政法人職員約6万3000人〈12年1月1日現在の常勤職員数。国有林野事業に従事する一般職公務員も含む〉)で、国家公務員総数は約63万9000人。