2013年末に策定された新防衛大綱で示された考え方。グレーゾーン事態の増加および長期化の傾向など、日本を取り巻く安全保障環境がいっそう厳しさを増しているなかで、10年の大綱で示された「動的防衛力」の考え方では、状況に即応する十分な抑止力を維持・構築できない可能性が生じたとの判断に立って、あらたな抑止力の概念として組み立てられた。事態の推移に応じて訓練・演習などを戦略的に実施し、また安全保障環境に即した部隊配置と機動的な部隊展開を含む対処体制を迅速に構築することにより、日本の防衛意思と高い能力を示し、事態の深刻化を抑制することが目標とされている。そこで、統合運用をいっそう徹底し、装備の運用水準を高め、自衛隊の活動量をさらに増加させるとともに、各種活動を下支えする防衛力の「質」および「量」を必要かつ十分に確保すること、また後方支援基盤を強化し、効果的に運用できる態勢を構築することが必要とされた。(→「防衛計画の大綱改定」)