総理大臣(首相)が内閣を組織することを組閣という。自民党政権では閣僚には、初入閣組、再入閣組、有力者組の3類型があった。初入閣組には、衆議院からは当選5~6回の議員が、参議院からは当選3回の議員が入閣する場合が多い。再入閣組には当選7~8回の衆議院議員が多い。有力者組とは派閥の領袖や有力者を指す。閣僚の総数は1974年以来20人以内と定められているが、第2期小渕内閣から第2期森内閣までは18人になった。そのうち3人は参議院から入閣することが慣例となっていた。閣僚の各派閥への配分数は、参議院分を含めて、派閥の規模におおむね対応している。ちなみに組閣の際に、総理が目玉として民間人を登用する場合、その分は総裁派閥への割り当て分を「供出」するのが例であるが、第1期小渕内閣では、各派割り当て分からそれぞれ1ポストを吸い上げ、「総理枠」として内閣の目玉作りに利用した。2001年の改正により閣僚数は17人となった。そのうち10人は各省大臣である。参議院枠は2人となった。細川内閣から第1期橋本内閣に至る連立内閣においても自民党政権の慣例はおおむね踏襲された。しかし、小泉内閣においては従来の慣例とは異なり、閣僚の選任には派閥にとらわれないほか、当選回数の少ない議員や非議員が抜擢(ばってき)された。安倍内閣や福田内閣でも小泉内閣が始めた方式は踏襲されている。そもそも総理自身の当選回数が、安倍は5回で、福田は6回と大幅に若返っている。福田内閣ではほとんどの閣僚が再任された。渡辺喜美大臣(金融・行革担当)は当選4回、上川陽子大臣(少子化担当)は当選3回となっている。かつての基準からすれば抜擢に当たる。また、上川大臣のほか、太田広子大臣(経済財政担当)は非議員であり、小泉政権以後、女性大臣が登用されるのが慣例化している。(→「民主党政権の組閣」)