組閣とは総理大臣(首相)が内閣を組織することをいう。大臣の数は法律によって総理大臣のほか、17人となっている(第3期野田内閣以後、東日本大震災の復興を担当する大臣が追加され、合計18人となっている)。2009年8月の総選挙の結果、民主党が自民党に代わって政権をとった。鳩山内閣が成立したとき、大臣経験者は、副総理の菅直人、財務相の藤井裕久、そして、特命相の亀井静香のわずか3人だけであった。自民党政権とはまったく新しい政権が生まれたのである。09年9月に成立した鳩山内閣から、民主党政権最後の第4期野田政権が終わった12年12月までに、民主党内閣は八つ組織されている。民主党内閣の特徴は、まず、その短さにある。1内閣の継続期間は平均でわずか150日(5カ月)しかない。その一つの理由は閣僚に対する参議院の問責決議案が議決されたために、この間内閣は4度改造を迫られたことにある。鳩山内閣から第4期野田内閣まで、民主党の八つの内閣で組閣の当初に任命された延べ146人の大臣(総理を含む)についてみると(実数は67人)、その特徴は次のようになる。まず、大臣の年齢は40歳から77歳まで、中央値は61歳である。当選回数は(参議院議員の場合は半期3年で1回と数える)、非議員の延べ4人を除くと、2回から11回となっている。その中央値は6回である。自民党政権とほぼ同じである。なかでも、蓮舫(特命相、当選2回)や馬淵澄夫(国交相、当選3回)や中塚一宏(金融相、当選3回)は抜擢(ばってき)の部類に入る。女性は延べ12人であるから、1内閣では平均1.5人が入閣していることになる。その平均年齢は55.7歳である。衆参別では衆議院から104人、参議院から38人、非議員が4人となっているから、1内閣では13(うち1人は首相)、4.75、0.5人となっている。自民党政権に比べれば参議院からの入閣はかなり多い。その理由の一つとしては、民主党が連立を組む国民新党や組んでいた社民党は参議院から大臣を出していることがある。学歴では東京大学が圧倒的に多く、延べ33人(中退を含む)、なかでも法学部は21人となっている。東大偏重は鳩山内閣に顕著であった。その他の大学では、早稲田大学が20人、京都大学が17人、慶應義塾大学が9人の順になっている。ちなみに、もっとも登場回数が多いのは野田佳彦(総理、財務)と玄葉光一郎(外務、特命)で7回、岡田克也(副総理、外務)、前原誠司(外務、国交、特命)、川端達夫(総務、文科)がそれぞれ5回となっている。彼らは民主党政権の顔であったということができるだろう。