鳩山由紀夫首相に代わった菅直人首相の下で、民主党は2010年4月に政策調査会を復活させた。政調会には、(1)各府省に対応する部門会議、(2)各省にまたがる課題に対応するプロジェクトチーム(PT)、(3)中長期的な課題に対応する調査会が新設された。部門会議やPTを通じて、党が政策や法案策定に関与できるようにしたのが特徴である。このうち部門会議は、衆参両院の常任委員会にほぼ対応する計13の部門会議の下に、座長など政調幹部と関係府省政務三役が参加する「コアメンバー会議」を新設し、個別政策、法案の調整にあたる。ただし、内閣への政策決定一元化方針との整合性を図るため「政策決定は政府が責任をもって行う」とし、政調の機能を「政府への提言」に特化させている。そして、鳩山政権で設けた各省副大臣主宰の政策会議と議員政策研究会は廃止し、部門会議に機能を一本化することとした。そして、閣僚を兼務する玄葉光一郎政調会長の下、政調会長代理、副会長らによる政調役員会を設けて政策全般の調整を行うこととし、この政策決定のシステムを10年8月よりスタートさせた。各部門会議の座長は、衆議院で当選3回、参議院で当選2回の議員で占められている。野田内閣になって部門会議の役割はさらに変化する。野田内閣では、政調会長は閣僚を兼務しなくなり、政策にかかわる討議決定の審議に際して、部門会議などに付託することとなった。つまり、政府提出法案を政策調査会の部門会議が審査し、了承しなければ閣議決定ができないとした。そして、部門会議の結論は、政調会長ら政調幹部と政府代表の官房副長官らによる協議で了承を得て党議とすることとされた。形式的には党の部門会議の政策決定に及ぼす力が強化されたのである。