民主党は政策決定は政府に一元化するとして、政策調査会長を入閣させる構想を描いていた。ところが、2009年9月の政権交代時に「一元化するなら政調は要らない」という小沢一郎幹事長の主張により、政策調査会とその下にある部門会議の廃止が決まった。内閣の政策は各省の政務三役によって決定され(→「政務三役会議」)、与党議員は各省ごとに設けられた副大臣が主宰する政策会議で意見を述べ、政策に反映させることが期待された。しかし、与党議員の意見が政策に反映されることは少なく、政調廃止後、政策決定への関与ができなくなったことへの不満が中堅・若手を中心に強まり、有志議員約50人が参加する「政策調査会の設置を目指す会」などが政調会の復活を執行部に働きかけていた。こうした動きを受けて、10年3月に民主党は、議員政策研究会を新たに設けることにした。政策研究会は衆参両院にある農林水産、経済産業、環境などの各常任委員会に対応して設けられ、衆参各委員会の民主党筆頭理事が主宰し、党所属議員全員が参加できるようにした。政府提出法案について政府側から説明を受け、議論する。マニフェストや新たな政策課題の研究なども担う。これに伴い、先に党国対委員会が設けた質問研究会は廃止された。しかし、政府の各省政策会議は存続するため、政策決定過程が二元化し、混乱を招く可能性が指摘され、さらに、政調会長に相当する党側で政策を総括する責任者は置かれなかった。その後、菅内閣の発足(10年)とともに、政策調査会長のポストが復活し、政策調査会の部門会議も復活した。これに伴い政策会議とともに議員政策研究会も廃止された。(→「政調部門会議」)