国の統治に参加することのできる権利の総称。立憲民主制(→「立憲主義」)は国民が直接・間接に立法その他の国家作用に関与することを前提とし、参政権も国民の基本的権利に属する。国民が一体として国の統治に参加する仕方としては、国民発案(イニシアティブ)・国民表決(レファレンダム)という直接的方法と、公職選挙・国民解職(リコール)という間接的方法とがある。日本国憲法は、地方自治特別法に関する住民投票制度(95条)を除くと、憲法改正の承認に関する国民投票という形で国民表決を採用し(96条)、日本国憲法改正手続法(平成19年法律51号)がその手続・要件を定めている。間接的方法の典型は国政選挙で、憲法は成年者による普通選挙・投票の秘密という原理を定める(15条)とともに、自由選挙の原理を前提として「政治的関係」の平等(14条)により平等選挙の原理をも定めている。
そこで、選挙区間の議員定数の不均衡によって投票価値(一票の重み)に格差があることが問題となる。最高裁大法廷は、衆院選の中選挙区制について、選挙事項法定主義(憲法43条2項・44条・47条)をふまえて国会の合理的な裁量権を認めつつ、選挙人数と議員定数との比率が諸般の要素を考慮してもなお極端な場合(1対3)は、公選法の定数配分規定は平等選挙の要求に反すると判断した(1976年4月14日、85年7月17日など)。中選挙区制に代わる小選挙区比例代表制が衆院選に導入された時(94年)、小選挙区間の格差は最大で1対2を基本とすることも法律で明記されたが、選挙区間の投票価値の格差が最大で2.304倍に達したことが問題視され、最高裁大法廷は、主原因である一人別枠方式、つまり各都道府県の選挙区の数は各都道府県に1議席ずつ配分した上で人口比例による配分議席数を加えるとする方法について、違憲状態にあるとの判断を下した(2011年3月23日)。