国際テロ行為を取り締まるために、1960年代から多くの国際条約や議定書が採択されてきた。2001年9月11日のアメリカにおける同時多発テロを契機に、同月12日、安全保障理事会(安保理)は決議1368を採択し、このテロ行為を激しく非難すると同時に、犯人の逮捕と処罰のための加盟国の協力を要請した。また同月28日には決議1373において、国際連合憲章(国連憲章)第7章の下でテロ一般に関して、テロ行為実行者だけでなく、彼らを物的、資金的に支援する行為や、テロを支持し教唆(きょうさ)する、あるいは犯人をかくまい保護する行為も犯罪として取り締まることを加盟国に命じた。同決議に基づいて安保理理事国15カ国からなるテロ対策委員会(CTC Counter-Terrorism Committee)が安保理の補助機関として設置された。CTCは、加盟国による同決議の履行状況の監視、対テロ対策における加盟国支援など、国際連合(国連 UN)における対テロ国際協力の中心となっている。06年9月に採択された対テログローバル戦略(Global Strategy to Counter Terrorism)は、05年9月の世界首脳会合成果文書と06年5月の国連事務総長報告書(「テロに対する結束-グローバルな対テロ戦略への提言」(A/60/825)に基づくもので、決議と行動計画からなる。この対テログローバル戦略において、初めて全国連加盟国が一致してテロに対して共通の戦略をとることに合意した。