2013年2月にギリシャ経済危機を背景に結成された極右のポピュリスト政党。党首は女性のフラウケ・ペトリと男性のイェルク・モイテンの二人代表制で、移民・難民の排斥と反EU、ユーロ圏からの離脱とドイツ・マルクの復活などを掲げる。フランスの国民戦線(FN)やオーストリアの自由党(→「オーストリア大統領選挙(2016年)」)などの極右政党と連携関係を保つ。国内政策では兵役義務の再導入、堕胎禁止、原発推進などをアピールして強まる国民の反EU感情や、移民・難民の排除を求める声をすくい上げる形で、急速に勢力を伸ばしてきた。14年の欧州議会選挙では発足後わずか1年で7議席を獲得して驚かせ、また16年9月の州議会選挙ではメルケル首相の地元メクレンブルク・フォアポンメルン州で与党キリスト教民主同盟の得票率を上回り、第2党に躍進した。17年秋の総選挙でも大きく得票を伸ばすと見られ、メルケル政権(→「第2次メルケル政権」)の欧州政策や難民政策に大きな影響を及ぼす可能性がある。