2016年8月、ケニアのナイロビで開催された第6回アフリカ開発会議(TICADVI)において採択された、日本とアフリカ諸国との間の経済協力宣言。日本政府は国連、世界銀行、アフリカ連合(AU)などとの共催で、1993年から過去5回にわたってアフリカ諸国の国家元首を日本へ招き、地域開発などを話し合う場を設けてきた。当初は、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りの悲願を実現するため、50カ国以上の票を有するアフリカを票田として取り込みたいという思惑があった。しかし2000年代以降は、中国によるアフリカ大陸での経済的大躍進を意識して、日本企業の対アフリカ投資を後押しする民間ビジネス色が強まっている。ナイロビ宣言では、アフリカでの企業環境を支えるインフラ投資、13~15年に西アフリカで発生したエボラ出血熱のような感染症対策、若者の雇用創出、テロ対策などが盛り込まれた。しかし対アフリカ投資と援助、および100万人とも推定される日本国民の進出規模からして、アフリカ諸国政府は中国と日本の協力ライバル競争を冷めた目で見ており、日本が同じ土俵で会議を続けることの意義が問われている。