不法投棄は個人のポイ捨てから、周辺地域に深刻な環境汚染をもたらす大規模な産業廃棄物まで、規模も種類も千差万別。産業廃棄物の不法投棄は、何百億円もの修復費がかかるなど社会問題化している例も少なくない。大規模な不法投棄に対しては、産業廃棄物の撤去・原状復帰に関する国の支援強化と、迅速な問題解決を目的として、2003年6月には産業廃棄物特別措置法(産廃特措法)を10年間の時限立法として施行。03年12月に香川県豊島(てしま)、04年1月には青森・岩手県境の事例に適用された。また、規制の甘さがルール違反を助長するとの認識から、03年の廃棄物処理法改正で罰則の強化や不法投棄未遂罪を新設し、業者が野積みした廃棄物など、不法投棄の疑いがあれば自治体が立ち入り調査できることになった。不法焼却も不法投棄と同様、5年以下の懲役か1000万円(法人は1億円)以下の罰金、または併科される。また05年5月の廃棄物処理法改正では、産業廃棄物管理票制度(マニフェスト制度)の強化が盛り込まれた。さらに10年の改正では、不法投棄をした法人に対する罰金が上限3億円に引き上げられた。