死亡力が低下すること、すなわち平均寿命が伸長することをいう。高齢化と混同されることもあるが、高齢化は人口の年齢構成が、高齢の方向に移行することであり、出生力低下によっても起こる点で長寿化とは異なる。平均寿命は長寿化の代表的な指標である。厚生労働省が作成している完全生命表によれば、日本人の平均寿命は、1935~36年で男性46.92年、女性49.63年と、50年に満たなかった。しかし、第二次世界大戦後急速に延び、2010年には男性79.55年、女性86.30年に達している。このため高齢者も増加の一途をたどっている。厚生労働省の調査によれば、100歳以上の高齢者(百寿者)は、1963年には153人に過ぎなかったが、2012年にはじめて5万人を超え5万1376人になった。さらに国立社会保障・人口問題研究所が12年1月に公表した将来推計人口(死亡中位仮定)によれば、60年の平均寿命は男性84.19年、女性90.93年に延びる見通しである。このような驚異的な寿命の伸長は「長寿革命」と呼んでもいいものである。しかも日本は世界トップクラスの長寿国である。