ある年齢の人が、今後何年生きるかを示す平均生存年数を平均余命というが、その中で生まれたばかりの人(0歳)の平均余命を特に平均寿命という。通常1年間の年齢別死亡率に基づいて作成された生命表から算出され、人口の死亡状況すなわち死亡力の代表的指標である。日常的には「歳」を使うこともあるが、平均寿命は人が平均して生きる年数を意味するので「年」が正しい。日本では厚生労働省の統計情報部が、簡易生命表を毎年、国勢調査人口に基づいた完全生命表を5年ごとに作成している。完全生命表によれば、男性の平均寿命は、1926~30年は44.82年に過ぎなかったが、70年(69.31年)、2010年(79.55年)と大きく延びている。この間、女性の平均寿命は46.54年、74.66年、86.30年と男性以上に延びている。11年の簡易生命表によれば、日本人の同年の平均寿命は男性79.44年、女性85.90年であった。前年に比べ、それぞれ0.11年、0.40年短くなったことになる。これは3月に起きた東日本大震災の影響である。国により統計の取り方に違いがあり、諸外国との厳密な比較は難しいが、日本の平均寿命が世界でトップクラスにあることに変わりはない。