病気を招く可能性があるウイルスに、持続的に感染していながら、症状をまったく示さず健康な人のこと。B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスは、肝硬変や肝臓がんの原因となるが、発症者数を超えるキャリアの存在が知られている。そのほか、九州や沖縄地方に患者が多い成人T細胞白血病(ATL)や、脊髄症(HAM)の原因となるヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)、エイズの原因であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)のキャリアも知られている。これらウイルスキャリアは、非感染者へのウイルス供給元となる可能性があるため献血ドナーにはなり得ない。したがって献血時には、これらのウイルスの有無を検査している。ウイルスにより頻度は異なるが、ウイルスキャリアは上記の疾患の発症予備軍としての可能性も持ち合わせている。将来の発症の可能性について、医療機関によるフォローも必要といえる。