ウイルスあるいは細菌による、嘔吐(おうと)、下痢を主症状とした胃腸炎。ロタウイルスやノロウイルスなど、口腔から腸管に達したウイルスが原因である場合がほとんどで、毎年秋から冬にかけて流行する。発症すると、急な腹痛や下痢などの症状を訴えるが、発熱などはほとんどない。小児の場合は脱水に対する注意を要し、医療機関への受診が勧められる。食品管理に携わる人が感染あるいは接触者となった場合には、集団食中毒を起こさないよう、手洗いや調理器具の洗浄などに十分注意を払う必要がある。重症患者の多くは小児ならびに老人である。発症者の吐瀉物、糞便などには大量のウイルスが混入している可能性があり、消毒処理が不十分だと二次感染を引き起こす。アルコール消毒は無効で、塩素消毒が有効である。消毒液の代わりに、家庭用の漂白剤を10倍程度に薄めて使ってもよい。