人、動物、輸入品を対象に、国内には無い病原体や病害虫の有無をチェックする機関。それらの外国からの侵入を阻止するために、国が全国の主要な空港や港湾に設置している。植物や食品も対象となる。ヒト病原体は、危険度が最も高いエボラウイルス、ラッサ熱ウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、マールブルグウイルス、ペスト菌などが対象。疑い例には検査、隔離などの措置をとる。人への検疫は、疑い例の発見やその行動制限を伴い、発症が疑われた場合には入院隔離を行う。輸入貨物では、例えばコレラ発生地域から送られた生鮮魚介類について、コレラ菌汚染の有無を検査する。動物検疫では、監視伝染病の有無、輸入畜産物の証明書の発行、ペット輸入に際しての狂犬病などの予防接種の実施、接種証明書の発行などを行う。船舶荷物などの衛生検査として、ペスト菌を保有する可能性があるネズミの駆除、船舶内の衛生検査の実施、証明書発給などを行う。さらに港の衛生業務として、日本脳炎やマラリアの定着防止のために海港、空港の衛生状態の把握も行っている。