従来の知能ロボット研究は、ロボットが身体をもって環境と相互作用をすることの意味や、そのロボットが環境と相互作用をしながら、機能を学習していくことの意味についてあまり考えてこなかった。認知科学、脳科学、発達心理学など既存の学問領域と連携しながら、これらの意味について考えようというのが認知ロボティクスで、1990年代から日本を中心に盛んになりつつある。単に工学的な目的でロボットを作るのではなく、知能とは何かを明らかにしよう(さらには人間とは何かを明らかにしよう)という科学的な目的で、ロボットを作ろうということである。