原子力利用が生み出す放射性核種(→「放射性同位体」)の中には、超ウラン元素(原子番号92のウランよりも大きい原子番号をもつ、人工的につくられた放射性元素)など半減期が極めて長いものがあり、それらの核種を短寿命の核種に核変換する方法。従来は消滅処理(annihilation disposal)と呼ばれていたが、寿命を短くするだけで放射能を消せるわけではないため、最近では核変換処理と呼ばれる。日本では、1988年からOMEGA計画(Options Making Extra Gains from Actinides and Fission Products)として取り組まれている。高度な再処理技術の開発や、核変換に使う中性子を発生させる巨大な陽子加速器、あるいは新たな原子炉が必要となる。レーザーによって放射性ヨウ素を核変換させようとする構想もあるが、変換に要するエネルギー効率を考えれば実現の見通しは暗い。