合計電気出力821万kWとなる7基の原子炉をもつ、東京電力の世界一巨大な原子力発電所。1~5号機までが沸騰水型炉(BWR)、6~7号機は改良型沸騰水型炉(ABWR)。東京電力の給電範囲でない新潟県の柏崎市と刈羽郡に立地され、2007年7月16日、新潟県中越沖地震に襲われた。その1号機が電源開発調整審議会で認められたのは1974年7月だが、それ以前から、予定地直下に真殿坂断層(まどがさかだんそう)が存在していること、東京電力が「岩盤」と主張する西山層自体が劣悪であることが指摘されていた。東京電力は指摘を無視し、活断層はないと断定、「原子炉建屋は岩盤まで掘り下げて建設するので問題ない」とした。国もそれを認めて、設置許可を与えた。しかし、東京電力が想定した最大の直下地震はM6.5であったのに、新潟県中越沖地震はM6.8と、約3倍(マグニチュードは対数で表記するため、「1」大きくなると、約32倍のエネルギーになる)もの大きさであった。そのうえ、発電所敷地は全体では周辺に比べて10cm隆起したし、あちこちで不均等に隆起や陥没を起こした。建屋も建屋内の機器もさまざまな被害を受けた。国と東京電力は運転再開を目指し、新たに存在が推定された佐渡海盆東縁断層を無視し、塑性ひずみの検査が不十分であることを認めたまま、比較的被害が小さかったといわれる7号機、6号機、1号機をそれぞれ2009年12月28日、10年1月19日、10年8月4日に営業運転を再開させた。しかし、11年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)を受けて、全号機が運転を停止し、「定期検査」に入った。現在、6号機、7号機が新規制基準のもとでの審査を受けている。