1985年に宇宙開発事業団(現JAXA〈宇宙航空研究開発機構〉)が実施した初回の宇宙飛行士公募以降、2015年初頭までに5回の宇宙飛行士公募が実施され、合計10人の宇宙飛行士が選ばれ、うち8人が宇宙を飛んだ。このほか、1990年には民間人として初めて、東京放送(TBS)の秋山豊寛記者が、ソユーズ宇宙船でソビエト連邦(当時)の宇宙ステーション「ミール」に一週間滞在した。また、NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士選抜で日系人2人が選ばれ、宇宙を飛んでいる。今後、民間の宇宙弾道飛行の運行が始まると、実際に宇宙を飛んだ者としての日本人宇宙飛行士の人数は一気に増えると予想されている。
■JAXA宇宙飛行士一覧
毛利衛(1948~):85年選抜。スペースシャトルに2回搭乗(92年、2000年)。
向井千秋(1952~):85年選抜。スペースシャトルに2回搭乗(94年、98年)。
土井隆雄(1954~):85年選抜。スペースシャトルに2回搭乗(97年、2008年)。
若田光一(1963~):92年選抜。スペースシャトルに3回搭乗(96年、2000年、09年。09年はISS長期滞在の往復にスペースシャトルを使用)。国際宇宙ステーション(ISS)に2回長期滞在(09年、13年。13年の滞在ではISS船長を務める)。
野口聡一(1965~):96年選抜。スペースシャトルに1回搭乗(2005年)。ISSに1回長期滞在(09年~10年、往復ともソユーズ宇宙船に搭乗)。
星出彰彦(1968~):99年選抜。スペースシャトルに1回搭乗(2008年)。ISSに1回長期滞在(12年、往復ともソユーズ宇宙船に搭乗)。
山崎直子(1970~):99年選抜。スペースシャトルに1回搭乗(2010年)。
古川聡(1964~):99年選抜。ISSに1回長期滞在(2011年、往復ともソユーズ宇宙船に搭乗)。
最新の選抜者は09年選抜の以下の3人。
油井亀美也(1970~):2009年選抜。防衛大学校卒業後、F-15戦闘機のパイロットとして航空自衛隊に勤務。ISSに1回長期滞在(2015年、往復ともソユーズ宇宙船に搭乗)。
大西卓哉(1975~):2009年選抜。東京大学工学部卒業後、全日本空輸に入社し、旅客機副操縦士を務める。ISSに1回長期滞在(2016年、往復ともソユーズ宇宙船に搭乗)。
金井宣茂(1976~):2009年選抜。防衛医科大学校卒業後、海上自衛隊に勤務。11年、ISS搭乗宇宙飛行士の資格取得。17年11月からISSに長期滞在予定。
■日本民間宇宙飛行士
秋山豊寛(1942~)。元TBS記者。90年12月、TBS「宇宙特派員」プロジェクトで、ソユーズ宇宙船に乗り、宇宙ステーション「ミール」に1週間滞在。
■NASA日系人宇宙飛行士
エリソン・オニヅカ(1946~86):78年選抜。スペースシャトルに1回搭乗(85年)。86年1月28日、2回目となるフライトナンバー「STS-51L」チャレンジャーに搭乗するも、同機の爆発事故により殉職。
ダニエル・タニ(1961~):96年選抜。スペースシャトルに2回搭乗(2001年、07年~08年。ISS長期滞在時の往復にスペースシャトルを使用)。ISSに1回長期滞在(07年~08年)。