配線のピッチの半分の寸法が、65nmのトランジスタとそれを用いた集積回路の総称。2006年ごろに、最先端の製品を作り出す技術として、世界的にも最も進んだ企業が、量産を開始した。1チップ当たりのトランジスタ数にして、数億個の集積が可能であり、最先端のマイクロプロセッサーやメモリーの生産に用いられている。
65nmという微細な加工を可能にしているのは、波長193nmのArF(フッ化アルゴン)を用いたエキシマレーザーリソグラフィー技術である。通常のリソグラフィー技術では光の波長と同じくらいまでの寸法しか解像できないが、位相シフト法とよばれる光の位相情報を積極的に用い、さらに光の照明方法を工夫することにより、波長の半分以下の65nm程度までの解像が可能になる。さらにレンズの明るさの尺度であるf値を、1以下にする液浸法を取り入れることにより、50nm以下の解像も可能になっている。この技術は、2008年ごろには45nmデバイスの量産に用いられ始め、65nmに比べ、2倍程度の性能の集積回路を可能にしている。