酸化物半導体は酸素と他の元素から構成される化合物半導体で、特にワイドバンドギャップを有し可視光に透明なものを透明酸化物半導体とよぶ。また、組成比制御やドーピングによって低抵抗な材料が得られるため、液晶、プラズマ、LED、ELなどの表示素子や太陽電池、タッチパネル等の透明導電膜のほか、熱反射ガラス、透明ヒーター、透明電磁波シールド、帯電防止膜などに使用される。透明電極としては、ITO(酸化インジウムスズ)とよばれるSn(スズ)添加In2O3(酸化インジウム)が主に使用されているが、In(インジウム)が希少金属であるため代替材料の開発が進められ、ZnO(酸化亜鉛)やGa2O3(酸化ガリウム)を基材としたものが精力的に開発されている。また、透明酸化物半導体のほとんどがn型半導体であるがpn接合の形成や種々電子デバイスへの応用のため、p型半導体の探索が精力的に進められている。