集積回路の演算速度と記憶容量を上げて高性能化を図るためには、スケーリング則に基づく素子の微細化が不可欠である。そのために現在の集積回路は、ウエハーと呼ばれる半導体基板上(最も一般的にはシリコンが用いられている)に感光性材料を塗布した後、紫外光を当てて回路パターンを焼き付け、現像(リソグラフィー)した後、エッチング処理して回路を形成する方法で作られるが、この際用いられる感光性材料がフォトレジストである。フォトレジストは紫外光を当てると化学変化を起こし、現像液に対する耐性の強い不溶性の材料に変化するネガ型フォトレジスト、逆に現像液に非常に溶けやすい性質をもつ材料に変化するポジ型フォトレジストがある。ネガ型フォトレジストとしてはポリクロロメチル化スチレン(CMS)、ポリクロロメチル化-α-メチルスチレン(α-M-CMS)などが、ポジ型フォトレジストとしては、ノボラック系の材料、メチルメタクリレート・メタクリル酸共重合体やポリトリクロロエチルメタクリレートなどが知られている。