姿勢や方向、動きなどの情報を得るために角度や角速度を検出するセンサーであり、「ジャイロ」とは回転する「こま」が回転軸の方向を保持しようとする特性を利用して動きを検出する「ジャイロスコープ」の略語である。現在ではこの「こま」の原理による回転型ジャイロセンサーの他、流体式ジャイロセンサー、振動する物体に働くコリオリの力を利用した振動ジャイロセンサーやMEMSジャイロセンサー、相対性理論から導かれるサニャック効果を利用したリングレーザージャイロや光ファイバージャイロ(→「光ファイバーセンサー」)などが実用化されている。このうち、MEMSジャイロセンサーは小型で安価なことからカメラの手ぶれ補正やカーナビの位置検出用、加速度センサーと組み合わせてウェアラブル機器の動きの検出用やドローンの姿勢制御用に用いられており、リングレーザージャイロや光ファイバージャイロは高精度なセンシングが求められる航空機や船舶、ロケットやミサイルなどの慣性航法装置などに用いられている。