磁気(磁場、磁界)の強さを検出する素子。検出原理や使用目的に応じて様々なものが開発されているが、主要なセンサーとして誘導型センサー、ホール素子、磁気抵抗素子があげられる。誘導型センサーはサーチコイル(磁気コアをもつコイル)に交わる磁束が変化するとその両端に電磁誘導(→「磁気」)によって電圧が誘起されるもので、AC磁界の検出のみ可能である。安価であり、誘導コイル型磁力計やテープレコーダーの磁気ヘッドに用いられている。ホール素子は半導体に電流を流すと電流と磁界に直交する方向に起電力が発生するホール効果を利用したセンサーであり、磁界を測定するためのガウスメーターの他、小型である特徴を生かした無接点スイッチとしてブラシレスモーターなどに広く使われている。磁気抵抗素子は磁界によって電気抵抗が変化する、各種の物理による磁気抵抗効果を利用したセンサーであり、小型で高感度であることから磁気ディスク装置(ハードディスク装置)の磁気ヘッドや紙幣の磁気インク検出用センサー、回転センサーなどに用いられている。また近年、車載機器、携帯機器、ウェアラブル端末、ドローン等に電子コンパスと呼ばれる地磁気センサーが搭載されることがあるが、この用途には前述の素子の他、小型で消費電力の小さい磁気インピーダンス素子(MIセンサー 磁界によってインピーダンスが変化するセンサー)が使われるようになった。