ヒートポンプや冷凍機(refrigerating machine)の性能を示すもので、動作係数とも呼ばれる。一般に、高温の熱源から熱量Q1を受け、低温の熱源に熱量Q2を捨て、外部に仕事Wを行う機械を熱機関といい、その熱効率はW/Q1で表される。ヒートポンプと冷凍機は熱機関の可逆サイクルで、外部から仕事を与えることで熱を利用する機械である。ヒートポンプと冷凍機とは同じ種類の機械であるが、前者は高熱源の熱量Q1を利用し、後者は低熱源の熱量Q2を吸収して冷凍するものである。電動ヒートポンプの成績係数は凝縮機の放熱量(Q1)/圧縮機の動力(W)で表され、冷凍機の場合は蒸発器の吸収熱(Q2)/圧縮機の動力(W)となる。日本の火力発電所の平均発電効率(送電端)は38%であるので、成績係数が2.6以上であれば投入した一次エネルギーより多くの熱を取り出すことになり、その増加分は空気熱や地中熱などの再生可能エネルギーを利用したことになる。