汚染物質が生物体内で高濃度に蓄積すること。また、そのような性質を持つ物質を生物蓄積性が高い、あるいは高(生物)蓄積性と呼ぶ。生物蓄積には大別して二つのメカニズムがあり、水生生物が鰓(エラ)や体表面を通して水中から化学物質を体内に蓄積する場合は生物濃縮(bioconcentration)と呼ぶ。他方、汚染された他の生物を餌として摂取することで蓄積する場合は、食物経由の生物蓄積と呼ぶ。英語ではバイオマグニフィケーション(biomagnification)と呼ばれる。水生生物の場合はこれらが同時に起こる。また、食物連鎖の上位の生物ほど高蓄積になる現象も見られる。水俣病は廃水として排出されたメチル水銀が生物蓄積により魚体に蓄積し、それを人が食べることで発症したとされる。生物蓄積性は残留性有機汚染物質(POPs)や化審法における第一種特性化学物質の認定要件の一つである。一般に生物蓄積性はオクタノール-水分配係数(Kow)と関係があり、log Kowが5以上であることが目安とされる。