海溝付近で起こる大地震の、10~数十年単位の予測。海溝付近のプレート境界では数十~数百年の間隔で、同じ震源域が繰り返し活動する。このため、過去の地震活動に関する十分な情報があれば、それに基づいて将来を予想することができる。地震調査委員会では海溝付近の地震(主にプレート間地震で、プレート内地震も含む)を海溝型地震(subduction zone earthquake)と定義し、三陸沖から房総沖、千島海溝沿い、日本海東縁部、南西諸島海溝沿い、および相模トラフ沿いの地震活動についての長期評価の結果を公表している。2011年3月には、予測された宮城県沖地震の発生が引き金となって、M9.0の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生、震源域の範囲とマグニチュードは予測を大幅に上回った。一方、十勝沖では、2003年9月にマグニチュードM8.0の地震が、ほぼ予測どおりに発生した。