原子や分子が数個から数千個(あるいはそれ以上)集まったものをいう。クラスターは個々の原子や分子とも、あるいはそれが無限個凝集した固体や液体(バルク状態 bulk)とも違う物理的・化学的性質を示し、nm(ナノメートル nは10-9=10億分の1)サイズの新しい機能性物性が注目されている。金属原子のクラスターにも電子の殻構造で説明される魔法数(2、8、20、40…)がある。クラスターの特徴は表面にある原子の割合がバルクの固体に比べて圧倒的に多いことである。そのため反応性に富み、例えば、金属の白金は硫酸などにも侵されないほど安定であるが、白金黒と呼ばれるクラスター状になると化学的に活性化され触媒作用を示す。液体の水には水分子が水素結合でつながったさまざまな大きさのクラスターが存在する。