金属原子やリン原子など炭素以外の原子からなるフラーレン(かご状分子)やナノチューブがみつかっている。その一つはカドミウム(Cd)とセレン(Se)からなる二元金属フラーレン(two-way metallofullerene)である。34個のCdとSeからできていて直径は1.5nm(ナノメートル nは10-9=10億分の1)。発光体素子や光触媒などへの応用が考えられている。また、P5配位子をもつ鉄錯体、つまり鉄原子の周囲に5個のP(リン)が結合したものを、銅イオンでつなぎ合わせた無機原子からなるフラーレンもつくられた。最近、直径100~500nmのニッケルのナノチューブがつくられ、ニッケル表面の化学反応性を利用した薬品の合成やガス処理の触媒としての利用が考えられている。