新宗教は開教された当初、ほとんど例外なく邪教の烙印を押されてきた。社会の支配的な価値観と対立することも多く、低俗で反社会的な宗教とみなされた。しかし、今日まで存続する教団のほとんどは、教団が発展するに従って、体制と融和して社会との対立をなくし、安定した宗教活動を行うに至っている。新宗教の発生・展開を、幕末維新期の19世紀、大正期から昭和初期の20世紀初頭、敗戦後から昭和中期の20世紀中葉、昭和後期の20世紀後半(→「新新宗教」)の4期に分けることができる。代表的な教団を挙げてみると、第1期は天理教や金光教、黒住教、第2期は大本(教)やひとのみち教団(後のパーフェクト・リバティー教団)、生長の家、大日本霊友会(後の霊友会)、第3期は創価学会や天照皇大神宮教、世界救世教、立正佼成会である。第1期から第3期までの新宗教は神道系、仏教系、特に法華系、神仏習合系など教えは多様であるが、宇宙の中心的な存在としてあらゆる生命を育む親神を信じ、「心直し」をすることによって、人間が積み重ねてきた罪や穢(けが)れが取り払われて病気が治り、悩みも解消され、それとともに世界も改まり、この世で幸福に暮らせるとする、現世中心的な教えが共通してみられる。信者たちの求めたものは制約された社会的・経済的な状況での貧・病・争からの救いであった。