新宗教第4期の真如苑、世界真光文明教団、崇教真光、阿含宗、幸福の科学、オウム真理教などの新新宗教は新宗教とは様相を異にしている。中流意識が行き渡った状況のなかで、病は別にして、貧・争に対する関心は消え失せている。密教、ヨーガ、瞑想、神秘主義、オカルティズム、終末観(→「終末論」「カルト」)などへの関心が著しく、超能力の獲得や神秘体験、現世の超越が志向されている。家や社会の幸福・平和という血縁的・集団的な目標ではなく、個人の精神的・内面的な世界の探究・充足が希求されている。宗教が家や共同体、国家にかかわるものではなくなり、個人の霊性・精神性の覚醒へと向けられている。それは個人主義的というより私的な関心といったほうがいい。新宗教といえば中高年層の女性、という従来のイメージを一新させて、青年層がその担い手となっている。20世紀末に至り、人類や地球の危機・破滅を説く教団がかなり現れた。それは世界的・宇宙的な規模のものでインターナショナリズム的である一方で、日本が最後まで残り世界の中心になるなどと説き、かなりナショナリスティックな色彩が濃厚でもある。また天変地異や核戦争などによって人間が罰せられたり、破滅へと導かれたりした後、選ばれた者が人類の救済と世界の復興に立ち上がるとして、個人に使命感を抱かせ、社会のなかでは満たされなかったアイデンティティーを与えてくれるが、それは教団内でしか成立しないもろいものにすぎない。