言語学の理論、方法論、研究成果を応用して、言語を基にした様々な現実的課題に取り組む研究分野。従来、応用言語学として扱われた分野も、研究成果が確実なものになると、それなりの研究目標と課題が規定され、独自の名称を獲得するようになる。たとえば、社会言語学、心理言語学、認知言語学、地理言語学、言語教育学、生物言語学、神経言語学、言語人類学、法言語学、コーパス言語学、臨床言語学などである。現在、応用言語学は、外国語教育、とくに英語教育で活発になっている。英語教育を念頭に、英語国際言語論や、話される地域によって変化が生じるという英語諸変種論などをはじめとし、教育目的、カリキュラム(シラバス)、リーディング、ライティング、発音、文法、語彙などの教育指導方法、教科書、テスティング(評価)、教室運営、ティームティーチング、留学やホームステイ、言語と文化、コミュニケーションスタイルなどが研究されている。さらに、通訳や翻訳、映画やテレビの字幕翻訳や吹き替え、ノンバーバルコミュニケーション(非言語伝達)、企業や行政の国際コミュニケーション戦略、企業の言語対応や評価、企業内言語研修などの研究へと広がりをみせている。