1940年代の前半に生まれた日本人建築家を総称する言葉。もともとは79年に槇文彦(まきふみひこ 1928~)が富永譲(とみながゆずる 1943~)や石井和紘(いしいかずひろ 1944~)らの住宅作品を訪れ、「平和な時代の野武士達」というエッセーを書いたことに由来する。ここでは学園紛争を経験し、国家や地方自治体、あるいは権力者や大富豪などの主人には仕えないが、デザインという芸を熱心に磨いている、新しい時代の建築家像について論じている。伊東豊雄、安藤忠雄、長谷川逸子(はせがわいつこ)、六角鬼丈(ろっかくきじょう)らの花の41年生まれ組のほか、石山修武(いしやまおさむ 1944~)や相田武文(あいだたけふみ 1937~)も同世代であり、彼らは80年代に入ると、ポストモダンの建築シーンを牽引する大きな役割を担った。