2007年3月にオープンした旧防衛庁跡地の再開発。高層棟のオフィス、ホテル、居住棟、店舗、美術館を含む、巨大な複合施設である。アメリカのSOM(スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル Skidmore, Owings & Merrill)がマスターアーキテクトを担当し、日建設計がそれをサポートした。個別の店舗は、内藤廣(ないとうひろし 1950~)など、さまざまな建築家が手がけ、密度の高いデザインを実現している。東京ミッドタウンは、六本木ヒルズに比べ、洗練されたシックな空間をめざした。しかし、全体としてのシンボル性には欠ける。敷地内の美術館は、デザインを隠している。隈研吾設計のサントリー美術館は、繊細なルーバー(よろい格子)を使い、その存在を強烈に主張しない。また安藤忠雄の「21_21 DESIGN SIGHT(トゥーワン・トゥーワン・デザインサイト)」は、ほとんどの姿を地下に埋めており、鉄板の大屋根が手前で折れ曲がって地面につく。