第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2010では、日本人建築家の活躍が目立った。全体のディレクターを妹島和世(→「SANAA」)がつとめたのだが、日本人初であり、女性としても初の快挙である。また故篠原一男(1925~2006)と若手建築家の石上純也(1974~)に金獅子賞が贈られた。企画展示では、伊東豊雄(1941~)ほか、複数の日本人建築家が参加し、日本館では、メタボリズム運動から50年の節目に「トウキョウ・メタボライジング」をテーマに掲げ、モノの更新ではなく、空き地の新陳代謝によって、欧米の都市にはない東京らしさを提示し、話題を集めた。妹島が設定したテーマは、「People meet in architecture」、すなわち人々が建築で出会うことである。それゆえ、空間そのものを体感する大がかりな作品が目立った。