ロック、リズム・アンド・ブルース、ファンク、ラテンなどの要素がミックスされたジャズのスタイルで、1970年代中期に生まれた。日本ではジャンルをこえるという意味でクロスオーバーと呼ばれていた時期もある。編成には電気楽器を含み、明快なリズムで演奏されるものが多く、都会的な洗練されたポピュラー音楽として、ジャズファン以外からも広く聞かれている。器楽曲中心だが、フュージョン的な演奏に複雑な歌をのせることに成功したスティーリー・ダン(Steely Dan)のようなグループもいる。聞きやすさを重視した穏やかな演奏のものはスムーズ・ジャズ(スムース・ジャズ smooth jazz)とも呼ばれる。主なアーティストにパット・メセニー(Pat Metheny 1954~)、リー・リトナー(Lee Ritenour 1952~)、ウェザー・リポート(Weather Report)、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock 1940~)、デイヴ・グルーシン(Dave Grusin 1934~)、グローバー・ワシントン・ジュニア(Grover Washington, Jr. 1943~99)、クルセイダーズ(The Crusaders)、スタッフ(Stuf)、ラリー・カールトン(Larry Carlton 1948~)、チック・コリア(Chick Corea 1941~)、デイヴィッド・サンボーン(David Sanborn 1945~)、カシオペア(Casiopea)、ランディ・クロフォード(Randy Crawford 1952~)など。