家庭で映画を楽しむライフスタイルを指す。厳密な定義はないが、サラウンド音声が再生可能なオーディオ装置をともなうことを意味する。ホームシアターの普及は、高品位な映像と迫力あるサラウンド音声を収録できるDVD-Videoの登場により加速した。音声フォーマットとしては、ドルビーラボラトリーズが開発した「ドルビーデジタル(Dolby Digital)」を標準として、さらにコンテンツ制作者側の任意で、より高音質とされる、DTS社が開発した「DTS(Digital Theater Systems)」も追加収録可能となる。現在、日本のデジタル放送もサラウンド音声での放送が可能になっており、フォーマットには「MPEG-AAC(MPEGはMoving Picture Experts Groupの略。AACは Advanced Audio Codingの略)」を用いている。映像面では、部屋を暗くして大画面を投影するプロジェクター(projector)も人気がある。ブルーレイディスク(Blu-ray Disc Associationの商標)やHD DVDでは、ハイビジョン映像に加え、多チャンネルでロスレス圧縮(→「音声圧縮」)方式による高品位な音声の「Dolby True HD」、「DTS-HD Master Audio」、および非圧縮のPCM(pulse code modulation)での収録も可能で、映画館を凌駕(りょうが)するクオリティーの映画を家庭で楽しめる時代が来た。