自動車にキャンプ道具などを載せ移動しながら行うキャンプ。キャンプ道具を車で運ぶため、道具の大型化・多様化が進み、蚊帳(かや)付きのタープ(→「テント」)、たき火台など日本独特の道具も開発されている。オートキャンプの形態には、移動型と定着型がある。移動型は、1日~数日キャンプをしては次のキャンプ地へと旅をする。この場合は設営・撤収の回数が多くなるのでコンパクトな道具を使うベテラン向き。定着型は1カ所で何日もキャンプをするもので、家族連れ、ビギナー向きといえる。近年はオートキャンプのもう一つの流れ、キャンピングカー(→「RV/4WD/キャンピングカー」)人気が高まっている。本来キャンピングカーとは、寝台や調理施設などを備え、一時的に生活できる車両を指すが、ワンボックスカーや軽自動車などでシートを平らにするなどの寝られる工夫をし、食事やシャワー、トイレは外部の施設を利用するものも、便宜上キャンピングカーと呼んでいる。後者によるキャンピングは駐車場(parking)を利用することからPキャンプ、あるいは車中泊などと呼ばれ、テント設営の手間がいらず、自分の都合に合わせた自由な旅ができるなどのメリットがある。背景としては、水やトイレが使え、照明設備もあって施設利用料がかからない「道の駅」の整備が進んだことなどが挙げられよう。しかし、駐車場を何泊も独占したり、酒盛りをしてけんかをしたり、トイレの電源を使ったり、炊飯禁止のところでバーベキュー(→「キャンプ料理」)をしたりと、利用者のマナーの悪さからトラブルが増え、本来の一時的な駐車利用だけを許可し、夜間の使用は禁止という施設が多く出てきている。このようなスタイルのキャンピングは、自然を楽しむアウトドアのカテゴリーではなく、通常の車旅行の一つと考えるべきだろう。