短距離の女王だったマリオン・ジョーンズ(アメリカ)らスター選手の相次ぐ薬物問題で大きなダメージを受けた陸上界。ウサイン・ボルト(ジャマイカ)という超新星が登場したとはいえ、スポーツ界での存在感が薄れていることへの国際陸上競技連盟(IAAF)の危機感は大きく、2010年からは世界ツアー(ダイアモンドリーグ)再編成と並んで、競技会のコンパクト化にも力を注いでいる。テレビ視聴率が「150分」を超えると急速に低下するとのデータをもとに、1991年世界陸上選手権東京大会当時は4時間以上かかっていた夜のプログラムを決勝・準決勝種目に絞る、選手紹介や表彰式をスリム化するなどして2011年韓国・大邱大会では2時間30分前後に圧縮している。10年から実施されたトラック種目の「フライング一発失格」の規則もこの流れに沿ったもの。