[一言で解説]
証拠調べが終わった後で検察官が行う最終の意見陳述。
[詳しく解説]
証拠調べが終わると、裁判官・裁判員の心証は固まりかけてきます。検察官も、証拠調べを実際に行った結果から、どういう事実が認定され、またどれだけの刑が科せられそうか、ある程度の期待をもっています。検察官が裁判所に対して、そのような期待を、意見・要望としてアピールするのが論告・求刑です。裁判所にとっても、判決前に、検察官の期待を知っておいたほうが、判決として書くべき内容や量刑の相場もわかって手続きがスムーズです。このような理由から検察官の最終的な主張を聞くことが論告・求刑です。論告とは、検察官が、証拠調べを整理して最終意見を言うこと。求刑は、論告後、「懲役15年を求刑します」というように、判決で出してほしい刑の種類や程度を主張することです。両者は手続き上分けて行われるわけではなく、論告の最後に「以上の事情を刑法に適用すると、被告人は懲役15年に処するべきものと考えます」として求刑が行われることが多いです。マスコミによる裁判報道の多くは、起訴のときと、この論告・求刑のとき、それから判決時に行われます。