ノーベル賞のパロディーで、人々を笑わせ、考えさせてくれた研究に贈られる賞。1991年に創設され、アメリカの科学雑誌「Annals of Improbable Research」などが主催している。賞の名称は、ノーベル賞の創始者「Nobel」に「反対の」という意味の接頭辞「Ig」をつけた造語。部門は開催年によって異なるが、物理学賞、化学賞、平和賞、文学賞、経済学賞などがあり、毎年10の個人やグループに対して授与される。独創性に富むユニークな研究や地道な研究に脚光を当てる賞である一方、皮肉や風刺として授与されることもあり、研究者が受賞を喜ばない場合もある。97年に玩具の「たまごっち」開発者が経済学賞を、2002年に犬語翻訳機「バウリンガル」開発者が平和賞を受賞するなど、日本人の受賞者も数多い。13年9月に発表された第23回では、心臓移植を受けたマウスにオペラを聞かせると長生きすることを発見した新見正則帝京大学医学部准教授らのグループに医学賞が、タマネギの催涙成分を作る酵素を発見したハウス食品などのグループに化学賞が贈られた。日本人の受賞は7年連続で、受賞数は計19件になった。