金融機関(短資業者、証券金融会社を含む)が日本銀行に預けている無利子の当座預金。日本銀行ネットワークシステム(→「新日銀ネット」)を通じた金融機関同士の為替(送金・取り立て)取引やコール取引などの決済口座として利用されているほか、準備預金制度の下で対象金融機関が必要準備を積み立てる口座でもある。日本銀行が量的・質的緩和(→「異次元緩和政策」)を推進する中で、日銀当座預金残高は急速に増加しており、2015年末には253兆円(前年比75兆円増)、うち準備預金制度対象先の保有分は231兆円(同69兆円増)である。また、同年12月16日に始まる準備預金積立期間(1カ月)における準備預金の平均残高は、231兆円であり、その96%に当たる222兆円が超過準備である。日本銀行は、補完当座預金制度として超過準備に対して0.1%の金利を付してきたが、2016年1月のマイナス金利政策(→「マイナス金利付き量的・質的緩和」)導入決定に伴い、以降の超過準備積み増し分に対してはマイナス0.1%の金利が適用される。一方、日本銀行が量的・質的緩和からの出口戦略を実施に移す際には、金利を1%引き上げるごとに年あたり約2兆円の利払いが必要となる。なお、必要準備率を20%程度に引き上げれば超過準備は消滅して日本銀行にとっての利払い負担はゼロとなるが、その分だけ対象先金融機関の収益が減少することになる。