新規発行国債(新発国債)を落札した銀行・証券会社などが、数日のうちにより高い価格で日本銀行の買いオペに応じることにより利益を得る取引。日本銀行が量的・質的緩和(→「異次元緩和政策」)を推進する中で、年間80兆円のペースで市場から国債を買い上げているため、それを見越した銀行・証券会社などが財務省から新発国債を積極的に落札し、すぐに日本銀行に転売して利ざや稼ぎをしている。日本銀行は財務省から直接に国債を買ってはいないが、日銀トレードが一般化していることは、事実上、日本銀行が財政赤字の穴埋めをするマネタイゼーションの領域に踏み込んでいることを意味する。2016年1月のマイナス金利政策(→「マイナス金利付き量的・質的緩和」)導入決定に伴い、日銀トレードを期待した銀行の国債買い入れ意欲が強まったこともあり、10年物国債利回りが一時マイナス金利となるなど、国債利回りは史上最低水準近辺で推移している。なお、国債を高値づかみした日本銀行は、当該国債についてマイナス金利での運用を余儀なくされ、剰余金の減少、ひいては日銀納付金の減少をもたらすことになる。