食料の国内生産の割合を示すもので数種類ある。(1)個々の品目についての自給率を示すもので、重量の比率で計算される品目別自給率。穀物自給率(2010年度概算27%)も重量比率で計算される。(2)供給エネルギーに着目して食料全体の自給割合を示すもので、カロリーの比率で計算される供給熱量自給率(同39%)。これは最も一般的に利用され、総合的な自給率である。このほか、(3)輸入飼料に依存する畜産物やカロリーの低い野菜などの国内生産活動を考慮して示すための金額ベース食料自給率(生産額ベース食料自給率)(同69%)がある。前年度に比べ10年度の穀物自給率は1%上昇したが、カロリーベース、金額ベースの食料自給率はともに1%下落した。穀物自給率の上昇は新規需要米などの国内生産量の増加によるところが大きい。他方、カロリーベースの自給率の低下は小麦、てんさい、いも類の国内生産量の減少、金額ベースの自給率の低下は牛乳・乳製品、米、魚介類、てんさいの国内生産額の減少による。