住宅賃貸市場は仲介業者を介するのが一般的であり、業者に対する仲介手数料は賃貸人、賃借人ともに家賃の1カ月＋実費を上限とする。住宅賃貸市場における取引の対価は月々に支払われる家賃であるが、入居時に敷金（退去時に返済）、礼金（権利金）などが、更新時には更新料が支払われるのが一般的であり、これらも対価を構成する要素となる。住宅賃貸市場の市場規模を賃貸住宅のストックから見ると、総務省「2008年住宅土地調査統計速報値」によれば借家数は1774万戸であり、全住宅ストックの35.8％を占める。その内訳は、民営借家27.1％、公営借家4.1％、UR・公社の借家1.8％、給与住宅（社宅など）2.8％である。借家の空き家率は18.7％と住宅全体の空き家率13.1％より大きく、03年の調査に比べ1.1ポイント増加した。また、賃貸住宅の新規供給を国土交通省「住宅着工統計」によって見ると、貸家着工戸数は08年度に44万4747戸（前年度比3.2％増）であり、持ち家、分譲住宅が減少している中で好調であったが、09年度に入り4月から11月までの8カ月間で前年度比35.4％減少している。