「2011年1月1日の地価公示」によると、10年中の地価変動率はマイナスであったが、その下落幅は全国、大都市圏ともに前年を下回った。「11年7月1日の都道府県地価調査」による1年間の地価変動率もマイナスではあったが、全国、大都市圏ともに前年のマイナス値は縮小した。三大都市(東京、大阪、名古屋)圏の商業地の下落率は4.2%から2.2%に、住宅地の下落率も2.9%から1.7%に縮小した。しかし、地方圏をみると、商業地が下落は4.8%で前年と同じで、住宅地の下落率は3.6%から3.7%とわずかに下落幅が大きくなり、商業地、住宅地の下落率が三大都市圏を上回ることになった。
最近の地価の動向を国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告」によってみると、東京圏の場合11年は10年に引き続いて四半期0%から3%下落といった地点が過半であるが、横ばいの地点がわずかに減少している。大阪圏、名古屋圏の場合10年は四半期0%から3%下落といった地点が過半であったが、大阪圏は11年第2四半期から、名古屋圏は10年第4四半期から横ばいの地点が過半を占めるようになり、回復の兆しがみえる。地方圏では11年の傾向は10年とほぼ同じであり、四半期0%から3%下落といった地点が過半である。